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2007年05月02日

4/12 映画「恋しくて」 監督:中江裕司インタビュー

4月12日(木)
映画「恋しくて」監督:中江裕司インタビュー



c「恋しくて」製作委員会

『恋しくて』
4月28日(土)よりテアトル梅田/京都シネマ
5月、シネカノン神戸
(近日)、滋賀会館シネマホール

監督:中江裕司
出演:石田法嗣、東里翔斗、山入端佳美、平良とみほか
原案・主題歌:BEGIN

ストーリー:
舞台は沖縄本島よりも南の島、ー 石垣島。
石垣で生まれ、ピアニストとジャズシンガーの両親に育てられ
物心ついた時から、歌う事が大好きだった加那子。
しかし、父がいなくなってから、歌えなくなってしまっていた。
高校生になった加那子は母の経営するジャズバーを手伝いながら、
毎日を送っていたある日、
ひらめきで生きている兄セイリョウの一言でバンドを始める事に。
幼なじみの栄順とマコトを巻き込んだバンド活動、そして恋…。
その行方は??

沖縄出身アーティストBEGINがモデルになっている
時に優しく、時には強くあったかい、 ハートが元気になる沖縄ムービー。

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インタビュー:監督 中江裕司

高校まで京都で過ごし、琉球大学に進学、以降沖縄に住み続けている。
中江監督作品はほとんどが沖縄舞台。
強くたくましく優しい沖縄文化を映画にのせて、沖縄の魅力を日本に伝え続けている。
(代表作:「ナビィの恋」「ホテル・ハイビスカス」)

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●この映画を作るきっかけは?

BEGINの「さとうきび畑の風に乗って」というエッセイが原案になっているんですけど、それを10年くらいに読んでいたんですね。で、東京のプロデューサーから「沖縄で音楽の映画を撮らないか」と言われた時に、それのことを思い出しまして、「では、BEGINの高校生の時の話を作らせてください」と言って、オリジナルで脚本を書き始めました。

●選曲の基準は?

基本的に、僕が好きな歌なのですが、「時を越えて残っていく歌、時を越えてもいい歌」であることが第一ですね。だから新しい歌もあれば古い歌もあるんですね。時を越えていく歌というのは、メロディにしても歌詞にしても、人の心に何か残る良い歌なんですよ。それが大事なんですね。「トランジスタ・ラジオ」にしても「年下の男の子」にしてもそうです。「炭鉱節」はエッチな歌なんですけど、僕の中ではラブソングですよ。ちなみに3番まであるんです。


●演技はどのように指導していたのですか?

映画だから縛りはあるんですけれど、こっちからは縛らないようにしていましたね。彼らが自分達で3ヶ月リハーサルをしてきて、自分達で作っているわけですよ。僕が書いたものがそのまま映画になっているわけでは無いんですね。彼らが自分達に重ね合わせて、合体させているんですね。彼らは演技をしていないんですよ。この映画の世界を生きただけです。この映画で起こったことは彼らにとって本当のことなんですよ。「映画は全部本当の事だから」と言い聞かせて、「二人が恋に落ちないと僕はカメラを回さないからね」と言っていました。今はどうなっているかは内緒です。付き合っているかもしれないし、付き合っていないかもしれないですし。プライベートですからね(笑)


●ライブのシーンはどのように撮ったのでしょうか?

やはり1度目と2度目は全く違うので、基本ワンテイクでしか撮りませんでしたね。


●今までの撮り方とは異色ですよね?

そうですね、そこまで徹底したのは異色ですね。順撮りですしね。けれどその甲斐はあったなと思います。初めと最後の顔つきが全く変わるんですね。それを見たときに良かったなと思いましたね。撮影のときはずっと一緒にいるので、顔が変わっていく様子はわからないのですが、ラッシュの時に顔つきが変わっていることがわかって、涙が止まらなくて編集にならなかったですね(笑)


●劇中ユーモアが沢山ありましたが、全部監督の案なんでしょうか?


そうですね。氷の場面もおならの場面も、うちの親父がよく「音はすれども匂いなし」と言っていたんですよ。あと「女の機嫌を取るには氷に限る」と言っていて、「女は経済観念が発達しているから、怒ってて解けていくのが耐えられないんだ」とね(笑)


●この映画を通して伝えたいことは?

気持ちがあふれたときに人は言葉じゃなくて、言葉から歌に変わると思っています。言葉で言えない位のときに歌になって出るのだろうと。その口からこぼれるように出た歌を紡いで、この「恋しくて」という映画を作ろうと思っていました。だからそういう登場人物達の思いを感じ取ってもらえればいいなと思います。
この「恋しくて」という思いは、単に恋愛の「恋しくて」だけではなく、ふるさとへの思いへの「恋しくて」であったり、家族への「恋しくて」であったり、もう死んでしまったものたちへの「恋しくて」であるという思いでこの映画を撮っていました。


●映画監督と兼業で劇場をすることで視点が変わることはありますか?

変わる部分ももちろんあります。けれど、よく「映画監督なのによく劇場を経営されてますね」と言われるのですが、これは全く違うんですね。僕は「サービス業者」なんです。「興行屋の親父」なんです。「興行屋の親父が映画を撮っている」のです。どっちに主軸というわけではないのですが、この世の中に娯楽を提供することが僕の仕事なんですね。


●沖縄に行ったきっかけは?

大学入学です。兄貴が北海道の大学だったので、一番ウケる所と考えて琉球大学を選びました。初めは沖縄に興味があったわけではないのですが、行ってから面白い人が沢山いて、面白い人が沢山いるということは、それを育てる風土が豊かでもあるということですし、その風土にも惹かれていきました。そのことが未だに面白いと思い続けているから沖縄に居続けているんでしょうね。


●京都で映画を撮る予定はありますか?

いつかは撮らないといけない、かもしれないですね。でも多分、僕が京都を撮ると言うことは死期が近いのかもしれない(笑)いや、ふるさとに向かい始めたら人は死ぬんですよ!
沖縄の人はふるさとに守られているんですよ。居場所があるから、他へ出て行くことができるんです。けれどふるさとを失っている人間は、自分は何者かを探し始めた時は衰えているんですよ。だから滋賀や京都に向かい始めたら危ないぞと、避けてます。


●映画に関わりたいと思っている大学生にメッセージをお願いします

「自分のために映画をやりたいんだったらやめなさい」ですかね。映画はお客さんの娯楽のため、社会のため、お客さんのため、です。だからそこに奉仕をするつもりがあるならやりなさい。奉仕をするって言うのは、奴隷になるっていうことですから。映画を作っている現場だったら映画そのものの奴隷に、宣伝だったら宣伝の奴隷に、劇場だったら劇場の奴隷になることです。お客さんの欲望はすごくて、半端がないです。「もっと見たい。もっと見たい」その欲望に答えるには奴隷になるしかないです。


●夢は追い続けるべきでしょうか?


夢というか・・・まぁ奴隷になることが夢かはわからないですけれど、あまりオススメはしないです。ただ、「やりたい」と思ってる位なら辞めたほうがいいです。「やらずにはおれない」という人がやることです。「もうこれをやらないと生きていけない、自分のやることはこれしかない、これをやらずには生きていけない」という人がやることで、「やりたい」と思っている人は、他の選択肢が、映画以外にもやりたいことがあるんですよ。

●ありがとうございました。

(インタビュア:ガクシン記者 一瀬)

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